「たけくらべ」粗筋
大音寺前、三島神社角の先の十軒長家。住む人のほとんどが遊廓に関係するような場所での話しです。
自然こども達も出世といえば女の子で言えば花魁が第一と思い、男の子は遊廓まわりのこともあり
乱暴でませたのが多い。当然、周辺にある私立と公立の小学校は仲が悪い。
公立に通う信如は気が弱いが勉強ができるので皆から一目おかれていた。
公立の悪童の長、長吉はとにかく人気がないので 信如を後ろ楯に、対立する一方の私立の長、正太郎に
一泡ふかせようと計画していた。
美登利は遊廓大黒屋の第一の花魁大巻の妹。姉の七光りでわがまま放題にあつかわれるが、悪童たちに
気前がよく、大人には三年後が楽しみと言われるくらい姿のいい少女。
八月二十日の千束神社のまつりの日、長吉たちは計画通り私立のたむろしている筆屋を襲撃する、
だが目指す相手の正太郎が居ない。腹いせまぎれに三五郎を袋だたきにして、美登利の顔に泥ぞうりを投げる。
正太郎は恋心をいだく美登利の受けた仕打ちが自分のせいだと思い、さんざんに気をつかうが美登利は
信如が長吉の後ろで糸を引いていたことに心がくもる。正太郎は愛嬌があり頭もまわるが美登利の気は晴れない。
ある雨の晩、信如は届け物をもって嫁いだ姉へ向かう途中、大黒屋の寮の前で下駄の鼻緒が切れた。
物音に気付いた美登利と格子戸をとうしての出会い。そっと投げた縮緬に目も向けぬ
信如・・・。
その年の酉の市、街は大にぎわいの日、高島田に結い上げた美登利をみつけた正太郎。
子供の正太郎には美登利の変化に気付かない、あれこれと気をまわし密着する正太郎。美登利には
もの珍しげに島田姿を見る他人の目でさえが嘲るように感て悲しく恥ずかしい。
その日から後、外遊びもせず正太が来ても前の活発さはもどらない。
ある寒い朝、水仙の造花が格子門から差し入れてあるのを美登利はみつけた。うわさではその次ぎの日に
信如が出家の修行に旅立ったと聞いた。
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