一葉は歌塾”萩の舎”で歌を習っており

小説だけでなく、歌人として歌もたくさん残しています

次の歌は、一葉の心情を象徴した歌です

かえらぬ水に

首夏水


かはづ鳴


いささ川なり

きのうの春の 夏子

おもかげも

この歌が作られたのは明治26年5月であった

本郷菊坂町の家の前を流れていた小さな

小川に因んで、当時の心境を詠んだもので

やがて閉じようとする娘時代の惜春を

首夏の歌に託し、開き直った気持ちを

「かはつ(蛙)」に表している。

この作品は、竜泉寺町で記録され、「いささ川」

で細々とした生活を表現し、菊坂時代をなつかし

む心情を象徴した歌となった。


歌塾”萩の舎”は比較的豊かな子女たちが集まっていました。

一葉も子供時代は広い家に住み、比較的豊かに暮らしていたようです。

父親が事業に失敗してから、一家は貧乏となり、さらに父親が亡き後は

一葉は家計を助けるため、小説を書き始めるのですが、

半井桃水とのうわさに耐えられず、また、書くことへの限界を感じたのか、

下谷竜泉寺町(今の三ノ輪のあたり)へ引っ越すことになり、

そこで荒物屋兼駄菓子屋を営む事になったのです。

この歌は、その子供の頃の菊坂時代を懐かしみ、今の自分の心境をよく

あらわしていると思います。

ここ竜泉寺町は当時の吉原遊郭に近かったのです

今までの自分を捨てるかのように、全く違う世界へ飛び込んでいった一葉。

そして、名作「たけくらべ」はここを背景に生まれた小説なのです。




一葉記念館に展示されているもの

一葉記念館には24年間の短い生涯を送った一葉の

自筆の「たけくらべ」の原稿や、机などが展示されています

静かな館内は、見ていてとても落ち着きます

達筆だった一葉の書簡はみごとで、まるで絵を

見ているような気さえ致します



一葉の歌

達筆だった一葉は、恋文などの代筆もしていたらしいです。

こんなきれいな字で手紙をもらったらうれしいでしょうねぇ。

それにしても、今は誰でも字が書けるのは当たり前に

なっていますが、当時の女の人には字の書けない人も

いたんでしょうか?

だれでもが教育が受けられる今の時代のなんと幸せな事か。


一葉愛用の文机(複製

一葉が身につけていた簪や櫛


貧しかった一葉には、展示品の中に、美しい着物やかんざし

など全くありません。可哀相なくらいです。

でもそれだからよけい、美しい文字で書かれた書簡や書が

ぴかぴかに光ってるんです。

文学に情熱をそそいだ一葉の生きざまをおのずと物語っているように思えてなりません。


一葉から半井桃水あての書簡

一葉の書簡のなかでも一、二をあらそう名文章




竜泉寺茶屋町通り家並風景模型

館内には、一葉が竜泉寺に住んでいた時の町並みや、一葉が住んでいた

長屋の模型が展示されています。

ここに居ると時間が明治の頃に戻ったような気さえしてきます。

これは私の勝手な解釈ですが、貧しく苦しい生活の中でも、

常に冷静に物事を判断し、人々を温かい眼で見守っていた一葉。

どんな環境にもつぶされないで、己の役目を確実に果たした一葉はすばらしい

人だと思います。

そんな一葉に出会えたことは、ほんとうに私にとって一生の宝ものだと

思っています

そんな一葉を、もっと多くの人に知ってもらいたいと思います。

ぜひ一度、一葉記念館にお立ち寄り下さい。

11月23日は一葉の命日でもあり、いろいろなイベントも行われます。




下記はネットサ−フィンしていたら見つかったイラストです

昔の風景がよく描かれていますねぇ。何か、なつかしさを覚えるのは私だけでしょうか?

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